茶園巡りの旅 徳島県上勝町
今回は徳島県東部の山奥に位置する上勝町でお茶を栽培している美馬さんの元を訪ねました。 SANでは「No.6 阿波晩茶」を取り扱わせていただいております。 上勝町はごみをどう処理するかではなく、ごみ自体を出さない社会を目指したことで、日本初の「ゼロ・ウェイスト(Zero=0、Waste=廃棄物)宣言」をした町として有名ですね。 阿波晩茶は2021年に国重要無形民族文化財にも指定され、世界でも上勝町でしか作られていない、幻のお茶とも呼ばれています。 よく番茶と勘違いされることがありますが、茶葉も製法も異なるため、全く違う味わいです。全国でもここ上勝でしか作られていない阿波晩茶は非常にユニークな製法によって作られています。 2021年7月、我々は阿波晩茶の茶摘みに参加させていただきました。 新芽だけでなく全ての葉と茎をむしり取る作業は一苦労です。指を痛めないように軍手の上から指の関節にテーピングをし、補強しながら作業を進めます。 一般的なお茶は「蒸す→揉む→乾燥」させるのが主流な製茶方法ですが、阿波晩茶は茶葉を摘んだ後、「釜で茹でる→揉む→桶に漬け込む→天日干し」という一風変わった製法で仕上げられます。 桶に漬けた後は常温で数ヶ月、乳酸発酵が進むのを待ちます。写真はブクブクと泡をたてて発酵が進んでいる様子。 漬け込んでいる蓋を取るとこんな状態。 この後、最適な発酵具合を見極め、空気に触れた上澄み部分を取り除いて最後は天日干しで乾燥させます。 この乳酸発酵の工程を踏むことでグレープフルーツの皮を連想させるハーブティーのような独特の香り・味わいが生まれるのです。